成長期の肘の内側の痛みは「裂離骨折」の可能性があります
「投げた瞬間に肘の内側がズキッと痛んだ」
「肘の内側が腫れてきた」
「痛くて投げられない」
「肘を曲げ伸ばしすると痛い」
このような症状がある場合、
上腕骨内側上顆裂離骨折が起きている可能性があります。
特にこの疾患は、
『成長期(小学生〜高校生)』の野球選手に多くみられます。
上腕骨内側上顆裂離骨折とは?
上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)とは、
肘の内側にある骨の出っ張りの部分です。
この部位には、
- 内側側副靱帯(肘の関節を守る内側の靱帯)
- 前腕屈筋群(手首を曲げる筋肉)
などが存在し、それぞれ骨に付着しています。
投球動作の繰り返しで上記の組織に強い牽引力がかかると、
『骨が引っ張られて剥がれる(裂離骨折)する』事があります。
上腕骨内側上顆裂離骨折の症状
代表的な症状は以下です。
- 投球時の肘の内側の鋭い痛み
- 痛みが強く、投げられない
- 肘の内側の腫れ・熱感
- 肘の曲げ伸ばしで痛い
- 押すと強い痛みがある
- しびれ(小指側)が出ることもある
特に「急に痛くなった」「投げた瞬間に痛めた」「投げる瞬間に音がなった」場合は、
裂離骨折の可能性が高くなる傾向があります。
※症状には個人差があります。
上腕骨内側上顆裂離骨折の原因
原因の多くは、
投球動作による牽引(関節が引き離される)ストレスです。
- 投球数が多い
- 疲労が溜まった状態で投げ続けた
- フォームが崩れている
- 肩・股関節の柔軟性が低い
- 成長期で骨が弱い時期
成長期の骨はまだ完成していないため、
靱帯よりも先に「骨が剥がれる」形で損傷することがあります。
野球肘(内側障害)と上腕骨内側上顆裂離骨折の違い
肘の内側の痛みは、
いわゆる「野球肘(内側型)」と一般的に呼ばれています。
ですが、野球肘というのは俗称であり、正式名称ではありません。
例えると…
「野球肘」は『魚』の様に大まかな事を指します。
今回の「上腕骨内側上顆裂離骨折」は『マグロ』の様に、具体的な物を指します。
他にも「肘関節内側側副靱帯損傷」は『サーモン』の様に、具体的な物を指します。
寿司屋さんに行って『マグロ』や『サーモン』が欲しいと伝えますが、
『魚』が欲しいとは言いません。
ですので、治療を行うには、『正しい診断名』が必要不可欠です。
今回の「上腕骨内側上顆裂離骨折」では、
- 痛みが急に強くなる
- 腫れが出やすい
- 押すと強い痛み
- 投げることができない
など、より“骨折”らしい経過を取ることがあります。
正しい診断を行うには、正確な検査を行い原因を探る様な診察が非常に重要です。
上腕骨内側上顆裂離骨折の診断方法(検査)
診断は、症状と身体所見、画像検査を組み合わせて行います。
- 圧痛部位の確認
- 肘の可動域の確認
- 靱帯不安定性の評価
- レントゲン検査(骨折の確認)
- エコー検査(周囲の状態評価)
- 必要に応じてCT / MRI検査
特に裂離骨折は、骨や関節付近、周辺組織の検査が必要ですので、
レントゲンやエコーを用いた診察が非常に重要です。
上腕骨内側上顆裂離骨折の治療方法
治療は、骨片のズレの程度や症状、競技レベルで変わります。
● 保存療法(手術をしない治療)
- 投球の中止と安静
- 固定(サポーターやギプスなど)
- 痛みと相談しながらのリハビリ
- 肩・股関節・体幹の機能改善
- 段階的な投球再開
裂離骨折が小さい場合は、保存療法で改善することもあります。
● 手術療法
骨片のズレが大きい場合や、競技復帰や日常生活に支障がある場合、
治療に時間がかかり過ぎてしまう事が予想される場合は、
手術が検討されることがあります。
上腕骨内側上顆裂離骨折のFAQ
痛みが引いたら投げてもいいですか?
→ 骨が治っていない状態で投げると再発・悪化する事があります。
放置するとどうなりますか?
→ 骨がくっつかず、痛みが残ったり不安定感が残ることがあります。
成長期が終われば治りますか?
→ 自然に良くなるケースもありますが、骨の裂離骨折が大きい場合は注意が必要です。
上腕骨内側上顆裂離骨折でお困りの方へ
上腕骨内側上顆裂離骨折は、
「ただの野球肘だと思っていた」
「痛みが引いたから投げてしまった」
というケースで悪化しやすい疾患です。
特に成長期は、
怪我をそもそも予防する。
痛くなったら早期に医療機関を受診して、適切に早く治すことが重要です。
- 投げた瞬間に肘の内側が痛くなった
- 肘の内側が腫れている
- 痛くて投げられない
- 肘の内側を押すと強く痛い
このような症状がある場合は、
できるだけ早めに医療機関を受診し、骨折の有無を確認することをおすすめします。
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