打撲のあとにしこりが残る…「骨化性筋炎」かもしれません
「太ももを強くぶつけたあと、しこりが残っている」
「時間が経っても痛みが引かない」
「筋肉が硬くなって動かしにくい」
「押すとゴリッとした感じがする」
「ストレッチすると強く痛む」
このような症状がある場合、
『骨化性筋炎(こっかせいきんえん)』が関係している可能性があります。
スポーツ現場では通称”モモカン”と言われています。
骨化性筋炎は、打撲や肉離れなどのケガのあとに、
筋肉の中に“骨のような組織”ができてしまう状態です。
特にスポーツ中の打撲などで起こりやすく、
「ただの打撲だから」と放置したり、
早い段階で強いマッサージやストレッチ等の刺激や
ストレスを与える事で悪化することがあります。
骨化性筋炎とは?
骨化性筋炎とは、
筋肉の損傷後に、筋肉の中で異常な骨化(骨ができる反応)が起こる状態です。
特に多いのは、
- 大腿四頭筋(太ももの前)
- 上腕(二の腕)
- 殿部(お尻)
など、強く打撲しやすい部位です。
骨化が進んだ中で、筋肉が動くと、その骨化部分が摩擦を発生させ、
痛みだけでなく「動かしにくさ(可動域制限)」を強くさせる事があります。
骨化性筋炎の症状
骨化性筋炎では、次のような症状がみられます。
- 打撲後、数日〜数週間してから痛みが増してくる
- しこり(硬い塊)が触れる
- 押すと痛い
- 筋肉が硬く突っ張る
- 関節が動かしにくい(膝や肘など)
- ストレッチや筋トレで強く痛む
- 運動時に痛みが続く
- ぶつけた部分が熱っぽい・腫れることがある
骨化性筋炎は、
「ケガ直後より、あとから硬くなってくる」
という経過が特徴的です。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
骨化性筋炎の原因
骨化性筋炎は、筋肉の損傷(出血)をきっかけに起こります。
主な原因は以下です。
● 強い打撲(筋肉内出血)
スポーツでの接触、転倒、膝が入るなどで
筋肉が強く損傷すると、内部で大きな出血が起こります。
● 肉離れのあと
肉離れの治癒過程で、炎症が長引いたり
筋肉内に血腫が残った場合に起こることがあります。
● 早すぎる強いマッサージやストレッチ
痛みが残っている段階で無理に揉んだり伸ばしたりすると、
出血や炎症が悪化し、骨化が起こりやすくなることがあります。
骨化性筋炎と間違えやすい疾患
骨化性筋炎は、以下のような疾患と区別が必要です。
- 単なる打撲(筋挫傷)
- 肉離れ(筋損傷)
- 血腫(筋肉内の血の塊)
- 筋膜炎
- 腫瘍性病変(まれ)
「しこりが残る」という症状は共通しているため、
医療機関での迅速な診察と診断が重要になります。
骨化性筋炎の診断方法
骨化性筋炎は、症状と経過、画像検査を組み合わせて評価します。
- 受傷機転(打撲、肉離れなど)の確認
- 痛みの経過(あとから硬くなるか)
- しこりの触診
- 関節可動域の評価
- レントゲン検査(骨化の確認)
- エコー検査(血腫や筋損傷の把握)
- MRI検査(筋肉内の炎症や血腫の検査)
骨化性筋炎は、受傷直後はレントゲンで写らず、
数週間後に骨化がはっきりしてくることがあります。
また、エコー検査では明瞭に骨化が描出される事が多いです。
「最初は異常なしと言われたが痛みが続く」
というケースでも、症状が続く場合は継続的な診察が必要になる事があります。
骨化性筋炎の治療方法
骨化性筋炎の治療は、進行度と症状に応じて選択します。
● 保存療法(基本)
- 安静(負荷をかけない)
- 炎症を抑える治療(内服・外用など)
- 痛みのコントロール
- 適切なタイミングでのリハビリ
- 無理なストレッチやマッサージを避ける
- 段階的な運動復帰
- 衝撃波治療(骨化部分を砕く)
- 注射治療(骨の部分を小さくする)
骨化性筋炎は、
「早くほぐせば治る」という考え方が逆効果になることがあります。
むしろ、炎症を落ち着かせてから動かすという順番が非常に重要です。
● 手術療法
骨化が大きくなり、
- 強い可動域制限がある
- 痛みが長期間続く
- スポーツ復帰が困難
などの場合には、骨化した部分の切除手術が検討されることもあります。
ただし、手術のタイミングには注意が必要です。
骨化性筋炎のFAQ
しこりは自然に消えますか?
→ 小さいものは時間とともに症状が軽くなることがあります。
ただし骨化が進むと残ることもあるため、経過観察が重要です。
ストレッチしても大丈夫ですか?
→ 痛みが強い時期に無理なストレッチをすると悪化することがあります。
状態に合わせたリハビリ、方法が必要です。
いつスポーツ復帰できますか?
→ 骨化の程度や痛みの強さによります。
自己判断で復帰すると悪化しやすいため、段階的な復帰が大切です。
骨化性筋炎でお困りの方へ
骨化性筋炎は、
「打撲だから時間が経てば治る」
と思われやすい一方で、
筋肉の中に骨化が起きているケースがあります。
特に、
- 打撲後にしこりが残っている
- 痛みが引かず、動かしにくくなってきた
- ストレッチや運動で痛みが増える
- 押すと硬い塊が触れる
このような場合は、
なるべく早めに整形外科で評価することをおすすめします。
埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・画像評価・リハビリテーションを組み合わせ、
あなたの症状に合わせた治療方針をご提案します。
「ただの打撲」と決めつけず、
早めに原因を確認することが、回復への近道です。
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