鵞足炎

膝の内側が痛い…それ「鵞足炎(がそくえん)」かもしれません

「膝の内側がズキズキ痛い」
「階段の上り下りで膝の内側がつらい」
「走ると膝の内側が痛くなる」
「運動後に膝の内側が熱っぽい」
「膝の内側を押すとピンポイントで痛い」

このような症状がある場合、
鵞足炎(がそくえん)が関係している可能性があります。

鵞足炎は、膝の内側にある「鵞足(がそく)」という部位に炎症が起きる疾患です。
ランニングやスポーツ、歩き過ぎなどの負担がきっかけで発症しやすく、
放置すると痛みが長引き、運動や日常生活に影響が出ることがあります。

鵞足炎(がそくえん)とは?

鵞足炎とは、膝の内側(脛骨の内側上部)に付着する…

  • 縫工筋(ほうこうきん)
  • 薄筋(はっきん)
  • 半腱様筋(はんけんようきん)

という3つの筋肉の腱(スジ)が集まる部分(=鵞足)に、
繰り返しの負担がかかって炎症が起こる状態です。

この部位は、膝を曲げ伸ばしするたびに負担がかかるため、
スポーツだけでなく、日常生活の動作でも痛みが出ることがあります。

鵞足炎(がそくえん)の症状

鵞足炎では、次のような症状がみられます。

  • 膝の内側(少し下)が痛い
  • 押すとピンポイントで強く痛む
  • 階段の上り下りで痛む
  • 走ると痛い(特に長距離や坂道)
  • スクワットやしゃがみ動作で痛い
  • 運動後に膝の内側がジンジンする
  • 膝の内側が腫れぼったい、熱感がある

初期は「運動後だけ」でも、悪化すると歩くだけでも痛くなる事があります。

※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。

鵞足炎(がそくえん)の原因

鵞足炎は、基本的に「使いすぎ(オーバーユース)」で起こることが多いです。
ただし、単純に運動量だけでなく、身体の使い方も大きく関係します。

● ランニング・ジャンプなどの繰り返し負荷
長距離ランニング、坂道ダッシュ、ジャンプ動作などは、
鵞足に強いストレスがかかります。

● 太ももや股関節の筋力低下
股関節や体幹がうまく使えないと、
膝の内側に負担が集中しやすくなります。

● 柔軟性の低下(ハムストリングスなど)
太ももの裏(ハムストリングス)が硬いと、
鵞足部が引っ張られてストレスを受けやすくなります。

● 膝が内側に入る動き(ニーイン)
しゃがみこみ、着地、走行フォームで膝が内側に入ると、
鵞足部への負担が増えます。

● 足部の問題(扁平足など)
足のアーチが低いと、膝の内側に負担がかかりやすくなります。

● 背景に変形性膝関節症がある
中高年の方では、膝の変形に伴って鵞足炎を併発するケースもあります。

鵞足炎(がそくえん)と間違えやすい疾患

膝の内側の痛みは、鵞足炎以外でも起こります。

  • 内側半月板損傷
  • 内側側副靱帯(MCL)損傷
  • 変形性膝関節症
  • 脛骨疲労骨折
  • 滑液包炎
  • 膝関節内の炎症(関節水腫など)

「鵞足炎だと思っていたら、実は半月板損傷だった」
ということもあるため、自己判断せず診察する事が重要です。

鵞足炎(がそくえん)の診断方法

鵞足炎の診断は、
症状・診察所見・必要に応じた画像検査を組み合わせて行います。

  • 痛みの場所(鵞足部)の確認
  • 圧痛(押した時の痛み)の確認
  • 膝の曲げ伸ばし、抵抗運動での痛み
  • 歩行、スクワット、ランニングフォームの確認
  • 膝関節の腫れ、水が溜まっていないか確認
  • レントゲン検査(骨の異常、変形性膝関節症の評価)
  • 必要に応じてMRI検査(半月板、靱帯など)
  • 必要に応じてエコー検査(炎症、滑液包の腫れなど)

鵞足炎は、診察である程度判断できますが、
「似た疾患の除外」がとても重要です。

鵞足炎(がそくえん)の治療方法

鵞足炎の治療は、炎症を抑えることと、
再発しない身体の使い方を整えることが中心です。

● 保存療法(基本)

  • 内服薬や外用薬(痛み・炎症を抑える)
  • 物理療法(疼痛緩和)
  • 運動量の調整(休むだけでなく内容を調整)
  • ストレッチ(ハムストリングス等)
  • 股関節・体幹を含めたリハビリテーション
  • フォーム改善(走り方、着地、スクワット)
  • 必要に応じてテーピング、サポーター
  • インソール(足部から負担を減らす)

鵞足炎は、痛みが引いても
「原因の動き」が残っていると再発しやすいのが特徴です。
そのため、リハビリが非常に重要です。

● 注射治療

炎症や痛みが強い場合には、
状態に応じて注射治療を検討することがあります。

● 手術療法

鵞足炎単独で手術になることは一般的には多くありません。
ただし、半月板損傷など他の疾患が原因の場合は、
治療方針が変わることがあります。

鵞足炎(がそくえん)のFAQ

Ÿ™‹ 走りながら治せますか?

→ 状態によります。痛みを我慢して走り続けると悪化することがあります。
ただし、適切な運動量調整とリハビリで「走りながら改善」を目指せるケースもあります。

Ÿ™‹ 鵞足炎は再発しやすいですか?

→ はい。フォームや筋力バランスが原因の場合、再発しやすいです。
痛みが引いた後のケアが非常に重要です。

Ÿ™‹ どれくらいで治りますか?

→ 軽症なら数週間で改善することもありますが、
慢性化すると数ヶ月かかることもあります。

鵞足炎(がそくえん)でお困りの方へ

鵞足炎は、

「少し休めば治ると思った」
「湿布だけで様子を見ていた」
「痛いけど我慢して運動を続けた」

このように放置されやすい疾患です。

しかし実際には、
早めに状態を評価して適切な治療とリハビリを行うことで

  • 痛みを軽くする
  • 運動への復帰をスムーズにする
  • 再発を防ぐ
  • フォームや身体の使い方を改善する
  • 膝の他のトラブルを予防する

ことが十分に可能です。

特に、

  • 膝の内側の痛みが2週間以上続いている
  • 走ると必ず痛む
  • 階段で痛い
  • 押すと強く痛い
  • 最近フォームや練習量が変わった

このような方は、
なるべく早めに医療機関(整形外科)で診察を受けることを強くおすすめします。

埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・画像評価・リハビリテーションを組み合わせ、
あなたの膝の状態に合わせた治療方針をご提案します。

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