腓骨筋腱炎

外くるぶしの後ろが痛い…それは「腓骨筋腱炎」かもしれません

「外くるぶしの後ろが痛い」
「走ると足首の外側がズキズキする」
「足首をひねった後から、外側の痛みが残っている」
「段差で踏み外すと外側が痛む」
「運動後に腫れぼったい」

このような症状がある場合、
『腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)』の可能性があります。

腓骨筋腱炎は、足関節捻挫の後に起こることも多く、
「捻挫は治ったはずなのに外側が痛い」というケースでよく見られます。

腓骨筋腱炎とは?

腓骨筋腱炎とは、
足首の外側を通る腱(腓骨筋腱、筋肉のスジ)に炎症が起こり、
痛みや腫れが出る状態です。

腓骨筋腱は、主に

  • 長腓骨筋腱(ちょうひこつきんけん)
  • 短腓骨筋腱(たんひこつきんけん)

の2本があり、外くるぶし(外果)の後ろを通って足の底側へ回ってきています。

この腱は、足首が内側にひねられる(内反)動きを制御し、
足首の安定性を支える重要な役割を持っています。

腓骨筋腱炎の症状

腓骨筋腱炎では、次のような症状がみられます。

  • 外くるぶしの後ろが痛い
  • 足首の外側が腫れる
  • 走ると痛い(特に方向転換やダッシュ)
  • 段差で踏み外すと痛い
  • 足首を外側にひねる動きで痛い
  • 押すと強く痛い(圧痛)
  • 運動後にジンジンする
  • 足首を回すと引っかかる感じがすることがある

等々の症状が見られる事もあります。
腱(スジ)の炎症なので、筋肉を使う動作で痛みの再現性がある事が多いです。

※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。

腓骨筋腱炎の原因

腓骨筋腱炎の原因は、主に以下の通りです。

● 足関節捻挫の後遺症

腓骨筋腱炎は、足関節捻挫(内反捻挫)の後に起こりやすいです。
捻挫で足首の外側の靭帯を痛めると、
足首の安定性が落ち、更に周りの組織である腓骨筋腱に負担が集中しやすくなります。

● 使いすぎ(オーバーユース)

  • ランニング
  • ジャンプ
  • ダッシュ
  • 切り返し
  • 坂道や不整地での運動

などで腱に繰り返し負荷や、ストレスが蓄積すると限界を迎え、炎症を起こします。

● 足の形のアンバランス(回内/回外足、ハイアーチ)

  • 扁平足
  • ハイアーチ(凹足)
  • 足が外側に荷重しやすい

このような足の特徴があると、足首の腓骨筋腱への負担が増えます。

● シューズ、フォームの影響

  • クッション性の低い靴
  • 足に合っていない靴
  • 踵がすり減った靴
  • 急な練習量の増加

等々のストレスが蓄積しやすい背景も原因になります。

腓骨筋腱炎と間違えやすい疾患

足首の外側の痛みは、以下の疾患でも起こります。

  • 足関節外側靭帯損傷(捻挫)
  • 腓骨筋腱脱臼
  • 短腓骨筋腱断裂
  • 距骨軟骨損傷(OCD)
  • 足根洞症候群
  • 第五中足骨疲労骨折(ジョーンズ骨折)
  • 外側の滑液包炎
  • 有痛性外脛骨(※内側なので鑑別)

特に、
「引っかかる」「パキッとずれる感じ」「外くるぶしの後ろで腱が動く」
といった症状がある場合は、腓骨筋腱脱臼の可能性もあります。

腓骨筋腱炎の診断方法

腓骨筋腱炎は、問診、診察、画像検査で評価します。

● 問診、診察

  • 痛みの場所(外くるぶしの後方〜足底側)
  • 腫れの有無
  • 押した時の痛み(圧痛)
  • 足首を外に返す動きでの痛み
  • 捻挫歴の有無
  • 歩行やスポーツ動作の確認
  • 足のアライメント(凹足、扁平足など)

● エコー検査

エコーでは

  • 腓骨筋腱の炎症
  • 腱の肥厚
  • 腱周囲の液体貯留
  • 部分断裂
  • 腱の動き(脱臼の有無)

などをリアルタイムで検査できます。
腓骨筋腱炎は、エコーで診断しやすい疾患のひとつです。

● MRI検査

  • 痛みが長引く
  • 断裂や脱臼が疑われる
  • 距骨軟骨損傷などの合併を疑う

といった場合にMRIを検討する事があります。

腓骨筋腱炎の治療方法

腓骨筋腱炎の治療は、基本的に保存療法が中心です。

● 保存療法

  • 運動量の調整(休む/減らす)
  • アイシング
  • 消炎鎮痛薬(内服・外用)
  • サポーターやテーピング
  • 足首の安定性を高める装具
  • インソール(足のアライメント補正)

● リハビリ

腓骨筋腱炎は、
痛みが引いても再発しやすいのが特徴です。

そのため当院では、

  • 足首の安定性(バランス)
  • 筋肉の筋力強化
  • ふくらはぎ・足部の柔軟性改善
  • 体幹、股関節の連動(フォーム改善)
  • 捻挫後の機能回復(再発予防)
  • 競技復帰までの段階的プログラム

を重視して介入しています。

特に、捻挫後に腓骨筋腱炎を起こしている場合は、
「捻挫の治療が途中で終わっていた」ケースが多いため、
足関節の機能をしっかり立て直すことが重要です。

● 注射治療について

腱の周囲の炎症が強い場合、
状態により注射治療を検討することがあります。
ただし、腱の周囲は慎重な判断が必要な部位であるため、
当院では状態を評価したうえで適応を判断しています。

● 手術療法(まれ)

  • 腓骨筋腱脱臼
  • 腱断裂
  • 保存療法で改善しない慢性例

などの場合に手術が検討されます。

腓骨筋腱炎のよくある質問(FAQ)

Ÿ™‹ 捻挫が治ったのに外側が痛いのはなぜ?

→ 靭帯損傷後に足首が不安定になり、
腓骨筋腱に負担が集中して炎症が起こることがあります。

Ÿ™‹ どれくらいで治りますか?

→ 軽症なら2〜4週間で改善することもあります。
ただし、捻挫後の不安定性が強い場合は長引くことがあります。

Ÿ™‹ 走ってもいいですか?

→ 痛みの程度によりますが、無理に続けると悪化することがあるため、
状態を検査して運動量を調整することが大切です。

腓骨筋腱炎でお困りの方へ

腓骨筋腱炎は、
「足首の外側が痛いだけ」と軽く見られがちですが、
放置すると慢性化し、再発を繰り返すことがあります。

特に、

  • 捻挫後から痛みが続く
  • 外くるぶしの後ろが腫れる
  • 走ると再発する
  • 1ヶ月以上続いている
  • 足首に不安定感がある

ひとつでも当てはまる方は、
今の状態を知るためにも、早めの受診を強くおすすめします。

埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・エコー評価・リハビリを組み合わせ、
再発予防まで含めた治療をご提案しております。

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