足首の後ろが痛い…「三角骨障害(後方インピンジメント)」かもしれません
「つま先立ちをすると足首の後ろが痛い」
「ジャンプの着地でズキッとする」
「サッカーでボールを蹴ると痛い」
「バレエのポワントで痛む」
「捻挫後から足首の後ろが治らない」
このような症状がある場合、
『三角骨障害(後方インピンジメント)』が原因になっている可能性があります。
三角骨障害は、足首の後ろ側で、骨や軟部組織が挟まって痛みが出る状態で、
スポーツ選手に多く、「つま先を強く伸ばす動き」で悪化しやすいのが特徴です。
三角骨障害(後方インピンジメント)とは?
足首の後ろ側には、距骨(きょこつ)という骨があります。
その距骨の後方に、もともと小さな骨が存在することがあり、
これを「三角骨(さんかくこつ)」と呼びます。
三角骨は、生まれつきある人とない人がいます。
この三角骨がある状態で、
- つま先立ち
- ジャンプ
- キック動作
- バレエ(ポワント)
などの動きが繰り返されると、
足首の後ろで骨が挟まり、炎症や痛みを起こします。
これが「三角骨障害(後方インピンジメント)」と呼ばれています。
三角骨障害(後方インピンジメント)の症状
三角骨障害(後方インピンジメント)の代表的な症状は以下の通りです。
- 足首の後ろ(アキレス腱の少し前)が痛い
- つま先を下げると痛い(底屈で痛い)
- つま先立ちで痛い
- ジャンプの踏み切りや着地で痛い
- キック動作で痛い
- バレエのポワントで痛い
- 足首の後ろが腫れる
- 捻挫後から痛みが残っている
足首の動きによる痛みが主症状になりますが、
悪化していくと、何もしなくてもズキズキと痛む場合があります。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
三角骨障害(後方インピンジメント)の原因
三角骨という、生まれつきある人とない人がある骨と
足首を動かす際に、周辺の筋肉等による組織が衝突、挟みこまれる事による
炎症が原因となります。
● 繰り返す「つま先を伸ばす動き」
三角骨障害は、
特に足首を強く底屈(つま先を下げる)する動作で起こります。
- サッカー(キック)
- バスケ(ジャンプ)
- バレーボール(ジャンプ)
- 陸上(短距離)
- バレエ
- ダンス
- 体操競技
等々の競技で多く見られます。
● 捻挫がきっかけになることもある
捻挫後に足首の後ろが痛くなり、
そのまま治らないケースもあります。
捻挫で周囲が腫れたり、炎症が強くなったことで、
挟まりが起こりやすくなることがあります。
● 三角骨がなくても起こることがある
実は「三角骨がない人」でも、
距骨後突起という足首の骨の突起部分が大きいと、
同じように後方インピンジメント(衝突、はさみこみ)が発生してしまいます。
つまり、
三角骨がある=必ず痛い
ではなく、
三角骨があって「挟まる状況」=痛い
というイメージになります。
三角骨障害(後方インピンジメント)と間違えやすい疾患
足首の後ろの痛みは、以下の疾患でも起こります。
- アキレス腱炎
- アキレス腱付着部炎
- 足関節捻挫(後方)
- 距骨軟骨損傷
- 滑液包炎(後方)
- 長母趾屈筋腱炎(FHL腱炎)
- 足関節後方の疲労骨折
「足首の後ろが痛い=アキレス腱」と決めつけないことが大切です。
三角骨障害(後方インピンジメント)の診断方法
動きで発生する事が多いので、症状の再現性と画像検査によって診断する事が可能です。
● 診察
- つま先を下げた時の痛み(底屈痛)
- つま先立ちでの痛み
- 圧痛部位(アキレス腱の前方)
- ジャンプ動作やキックでの再現
などを確認します。
● レントゲン検査
三角骨はレントゲンで確認できます。
骨の形や大きさ、距骨後突起の状態も検査します。
● MRI検査
MRIでは
- 三角骨周囲の炎症
- 骨髄浮腫(骨の中の炎症)
- 軟部組織の挟まり
- 長母趾屈筋腱(FHL)の炎症
などを検査する事ができます。
● エコー検査
エコーでは、
- 滑液包炎
- 長母趾屈筋腱炎
- 周囲の炎症
- 出血や水腫等の液体貯留
など様々な組織をリアルタイムで検査できます。
特に三角骨障害(後方インピンジメント)は動きの症状なので、
動きながら検査できる利点は大きいです。
三角骨障害の治療
三角骨障害は、状態に応じて保存療法から開始することが多いです。
● 保存療法
- 運動量の調整
- 安静(特に底屈動作を避ける)
- 消炎鎮痛薬(必要に応じて)
- 物理療法
- 足関節周囲の柔軟性改善
- 股関節・体幹の連動改善
- 足首の使い方の修正
- インソール調整
- テーピング
痛みの原因が「衝突」「挟まり」なので、
無理にストレッチをしすぎると悪化することもあります。
● リハビリ(当院が重視)
三角骨障害では、
「足首が硬い」「体の使い方が偏っている」ことで、
後方に負担が集中しているケースが多いです。
当院では、
- 足関節の背屈制限の改善
- ふくらはぎの柔軟性、筋出力の調整
- 股関節の可動域と安定性の改善
- 体幹、骨盤のコントロール
- ジャンプ着地のフォーム指導
- キックフォームの検査と修正
- バレエ、ダンス特有の動作分析
等々を含めて、症状の治療だけではなく、再発を防ぐリハビリを行っています。
● 注射
炎症が強い場合は、関節内や周囲に注射を行うことがあります。
適応は症状、競技状況によって慎重に判断
