PRP療法(多血小板血漿療法)
PRP療法とは
PRP療法は、患者さまご自身の血液から血小板を多く含む成分(PRP:Platelet-Rich Plasma)を取り出し、痛みや損傷のある部位に注射する治療法です。
血小板には、傷ついた組織の修復に関わる成長因子が豊富に含まれています。PRP療法は、この成分を患部に投与することで、組織の修復を後押しすることを目的としています。
なお、PRP療法はすべての痛みや損傷に対して効果をお約束できる治療ではありません。症状・損傷部位・病態・治療後のリハビリ内容によって経過は異なります。診察・画像検査・身体機能評価を行ったうえで、医学的に適応があると判断した場合にのみ実施いたします。
どんな症状が対象になりますか?
病態に応じて、「第二種再生医療等」または「第三種再生医療等」としてPRP療法をご提供します。
第二種再生医療等として行う場合(関節内)
主に関節内の病変や変形性関節症などを対象に検討します。
- 変形性膝関節症
- 変形性股関節症
- 変形性肘関節症
- 関節内の軟骨損傷
- 関節内の慢性的な痛み
- その他、医師が適応と判断した関節疾患
第三種再生医療等として行う場合(関節外)
主に筋肉・腱・靭帯・筋腱付着部などの損傷や慢性炎症を対象に検討します。
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
- 膝蓋腱炎
- アキレス腱炎
- 足底腱膜炎
- 肉離れ
- 靭帯損傷
- 腱付着部障害
- スポーツによる筋・腱・靭帯の慢性障害
- その他、医師が適応と判断した軟部組織障害
※上記はあくまで対象となり得る症状の例です。診察・検査の結果、保険診療での治療やリハビリ、手術治療、他院へのご紹介をおすすめする場合もあります。
治療の流れ
1. 診察・検査
症状や発症時期、スポーツ歴、お困りごと、既往歴、内服薬などを確認します。必要に応じてレントゲン・超音波・MRI検査を行い、原因を評価します。
2. 適応の判断
医師が診察・検査結果をもとに、PRP療法の適応があるかを判断します。適応が乏しい場合や他の治療を優先すべき場合は、実施をお勧めしないこともあります。
3. 採血
ご自身の血液を採取します。
4. PRPの作製
専用機器で血液を処理し、PRPを作製します。作製後は原則として当日中に使用します。
5. PRP注射
痛み・損傷のある部位に注射します。必要に応じて超音波で確認しながら行います。
6. 治療後のフォロー
治療部位や競技種目、症状の程度に応じて安静期間・運動再開時期・リハビリ内容を個別に調整し、定期的に経過を確認します。
治療後の注意点
- 治療当日は、患部に強い負荷をかける運動・トレーニングはお控えください。
- 治療後、一時的に痛みや腫れが強くなることがあります。
- 運動再開の時期は部位・病態により異なります。自己判断で運動量を急に増やすと症状が悪化することがあるため、医師・理学療法士の指示に従って段階的に再開してください。
- 強い痛み、腫れの増悪、発熱、赤み、熱感、しびれなどがある場合は、早めにご連絡ください。
治療回数・効果の目安
治療は通常1回から開始します。病態や経過により、複数回の治療をご提案することもあります。
効果の判定は施術直後ではなく、数週間〜数か月かけて行います。スポーツ復帰については、痛みの有無だけでなく、可動域・筋力・動作・競技特性・再発リスクを総合的に踏まえて判断します。
費用について(自由診療)
PRP療法は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。
第二種再生医療等(関節内)
| 区分 | 費用 |
|---|---|
| 成人 | 110,000円(税込) |
| 学生 | 88,000円(税込) |
第三種再生医療等(関節外)
| 区分 | 費用 |
|---|---|
| 成人 | 66,000円(税込) |
| 学生 | 55,000円(税込) |
キャンセル料について
ご自身の血液を採取し、専用機器で加工する治療の特性上、採血後・加工後のキャンセルには以下の費用が発生します。
| キャンセル時点 | キャンセル料 |
|---|---|
| 採血後 | 5,500円(税込) |
| PRP加工後 | 55,000円(税込) |
※診察料、画像検査、リハビリ、感染症検査等が別途必要となる場合があります。
※感染症検査費用:〔確定後に記載:〇〇円/料金に含む/必要時のみ別途実施〕
※治療部位・内容・使用量により費用が変動する場合は、事前にご説明します。
主なリスク・副作用
PRP療法では、以下のようなリスク・副作用が起こる可能性があります。
注射時の痛み、治療後の一時的な痛みの増強、腫れ、熱感、赤み、内出血、感染、神経や血管の損傷、採血に伴う気分不快・迷走神経反射、治療効果が十分に得られない可能性、症状が改善しない・一時的に悪化する可能性、追加治療が必要となる可能性など。
ご自身の血液を使用する治療ではありますが、副作用や合併症が起こらないことをお約束するものではありません。
効果の限界・代替治療
PRP療法は、組織修復に関わる反応を促すことを目的とした治療ですが、すべての痛みや損傷に効果が保証されるものではありません。症状の原因、損傷の程度、罹病期間、関節や腱の変性、治療後のリハビリテーション内容などにより、効果には個人差があります。
また、PRP療法は、変形した関節や断裂した腱・靭帯を元通りに戻すことを保証する治療ではありません。病態によっては、内服薬、外用薬、装具療法、リハビリテーション、体外衝撃波治療、各種注射治療、動注療法、手術治療など、他の治療をご提案する場合があります。
治療内容、期待される効果、限界、代替治療、リスク・副作用について説明し、同意をいただいたうえで実施します。
治療を受けられない方・慎重な判断が必要な方
以下に該当する場合、PRP療法を受けられない、または慎重な判断が必要となることがあります。
- 治療部位に感染が疑われる方
- 発熱や全身感染症が疑われる方
- 重度の貧血がある方
- 血液疾患がある方
- 出血傾向がある方
- 抗凝固薬・抗血小板薬を使用中の方
- 悪性腫瘍の治療中または経過観察中の方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 医師が安全に実施できないと判断した方
再生医療等提供計画について
当院のPRP療法は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、所定の手続きを経たうえで実施します。
第二種再生医療等
- 名称:〇〇を対象とした自家多血小板血漿(PRP)注入療法
- 提供計画番号:PB〇〇〇〇〇〇〇
- 認定再生医療等委員会:〇〇
- 対象:関節内病変、変形性関節症、関節腔内損傷など
第三種再生医療等
- 名称:〇〇を対象とした自家多血小板血漿(PRP)注入療法
- 提供計画番号:PC〇〇〇〇〇〇〇
- 認定再生医療等委員会:〇〇
- 対象:筋、腱、靭帯、筋腱付着部、スポーツ障害などの関節外軟部組織障害
※提供計画番号は、厚生労働省への届出・受理後に記載します。
未承認医薬品等に関する情報
本治療で使用するPRPは、患者さまご自身の血液から作製するものであり、医薬品として製造販売承認を受けたものではありません。
PRP作製には、国内で承認された医療機器「TriCeLL PRP 分離・濃縮キット」を使用しています。
PRP療法は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。また、使用目的・治療内容によっては、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
使用する医療機器
当院では、PRPの分離・濃縮に「TriCeLL PRP 分離・濃縮キット」を使用しています。完全密閉型の3チャンバー構造により、採血した血液を遠心分離し、血漿・赤血球・多血小板血漿に分離します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売名 | TriCeLL PRP 分離・濃縮キット |
| 一般的名称 | 血液成分分離キット |
| 医療機器承認番号 | 22900BZX00068000 |
| 医療機器分類 | 高度管理医療機器 クラスⅢ |
| 入手経路 | 国内正規代理店を通じて入手 |
ご相談・ご予約について
PRP療法をご希望の方も、まずは医師の診察が必要です。診察・検査の結果、PRP療法が適切でないと判断する場合もございます。
治療を無理にお勧めすることはありません。治療内容・費用・期待される効果・限界・リスク/副作用について十分にご説明し、ご納得・ご同意をいただいたうえで実施いたします。



