かかとの上が痛い…それは「アキレス腱炎」かもしれません
「走るとアキレス腱が痛い」
「朝の一歩目でズキッとする」
「運動後にかかとの上がジンジンする」
「押すと痛い、腫れている気がする」
「痛いけど我慢して運動を続けてしまう」
このような症状がある場合、
『アキレス腱炎』が原因になっている可能性があります。
アキレス腱炎は、ランニングやジャンプ動作が多いスポーツで起こりやすく、
「少し休めば治るだろう」と思って悪化してしまうケースも少なくありません。
早めに状態を診察し、適切な治療とリハビリを行うことが大切です。
アキレス腱炎とは?
アキレス腱炎とは、
ふくらはぎの筋肉(腓腹(ひふく)筋・ヒラメ筋)と踵(かかと)の骨をつなぐ
アキレス腱に炎症や微細損傷が起こり、痛みが出る状態です。
アキレス腱は、歩行・ランニング・ジャンプなど
あらゆる動作で大きな負担がかかるため、
負荷が続くと炎症が起こりやすくなります。
アキレス腱炎は、
「腱の炎症(腫れる)」だけでなく
「腱の変性(異常信号)」が混在していることも多いです。
アキレス腱炎の症状
アキレス腱炎では、次のような症状がみられます。
- かかとの上(アキレス腱)が痛い
- 朝起きて最初の一歩が痛い
- 走り始めが痛いが、動くと少し楽になる
- 運動後に痛みが強くなる
- 押すと痛い(圧痛がある)
- 腫れぼったい、熱感がある
- アキレス腱が硬く感じる
- ジャンプやダッシュで痛い
慢性的な痛みを抱えている方も多く、
はじめは我慢できる事も多いため、
「まあ、いつか治るだろう」と放置してしまう事も多いです。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
アキレス腱炎の原因
アキレス腱炎の原因は、ほとんどが
「使いすぎ(オーバーユース)」です。
● 運動量の急増
- ランニングを始めた
- 練習量が急に増えた
- 大会前で追い込みをした
- 休み明けにいきなり強度を上げた
このようなタイミングで発症しやすいです。
● ふくらはぎの硬さ(柔軟性低下)
ふくらはぎが硬いと、
アキレス腱にかかる牽引ストレスが増え、炎症が起こりやすくなります。
● 足の形がアンバランス(扁平足・回内足)
扁平足などで足が内側に倒れやすいと、
アキレス腱にねじれの負担がかかり、痛みにつながることがあります。
● シューズや動作フォームの問題
- クッション性の低い靴
- 踵がすり減った靴
- 硬い地面での反復練習
- 走り方の癖(つま先着地など)
等々の衝撃に関わる背景も原因になります。
● アキレス腱付着部の問題(付着部炎)
痛みが「かかとの骨に近い部分」で強い場合、
『アキレス腱付着部症』という、骨に近い部分が関係、原因になっている事もあります。
アキレス腱炎と間違えやすい疾患
かかとの上の痛みは、以下の疾患でも起こります。
- アキレス腱断裂(部分断裂を含む)
- アキレス腱付着部炎
- 滑液包炎(踵骨後部滑液包炎)
- 足底腱膜炎
- 腓腹筋肉離れ
- 後脛骨筋腱炎
- 痛風(足関節周囲)
特に、痛みが強い場合や腫れが目立つ場合は
別の疾患が隠れていることもあるため注意が必要です。
アキレス腱炎の診断方法
アキレス腱炎は、問診、診察、画像検査を組み合わせて診断します。
● 問診・診察
- 痛みの部位(腱の中央か、付着部か)
- 腫れや熱感の有無
- 押した時の痛み(圧痛)
- 歩行、つま先立ちでの痛み
- ふくらはぎの柔軟性
- 足のアライメント(扁平足など)
- スポーツ動作(ランニング、ジャンプ)
● エコー検査
エコーでは
- 腱の肥厚(太くなっている)
- 各組織の炎症
- 部分断裂の有無
などをその場で検査できます。
アキレス腱炎は、エコーが非常に有用な疾患のひとつであり、
経過を辿っていく上でも非常に便利な検査方法です。
● MRI検査
- 部分断裂が疑われる
- 痛みが長引いている
- 手術の検討が必要
といった場合に、MRIで詳しく検査することがあります。
アキレス腱炎の治療方法
アキレス腱炎の治療は、基本的に保存療法が中心です。
● 保存療法
- 運動量の調整(休む/減らす/内容変更)
- アイシング
- 消炎鎮痛薬(内服・外用)
- 物理療法
- 踵の負担を減らすインソール
- テーピングやサポーター
● リハビリ(当院が特に重視)
アキレス腱炎は、
「安静にして痛みが引いたら終わり」では再発しやすいのが特徴です。
当院では、以下の事を重視して介入しております。
- ふくらはぎの柔軟性改善
- アキレス腱への負荷を調整する運動療法
- 足部や股関節の機能改善(フォームの土台)
- 走り方、ジャンプ動作の修正
- 再発予防のトレーニング指導
痛みの原因が「腱」だけではなく、
身体の使い方や負荷のかけ方にあるケースも多いため、
症状への治療、再発予防にはリハビリが重要です。
● 注射治療について
アキレス腱炎での痛みが強い場合は実施する事で、
症状を緩和できる事があります。
また、状態に応じて、他の治療と組み合わせる事で、
更に治療効果を狙っていく事もあります。
● 手術療法
保存療法で改善が難しく、
慢性化してスポーツ復帰が困難な場合などに検討されることがあります。
アキレス腱炎のよくある質問(FAQ)
走りながら治せますか?
→ 痛みの程度によります。我慢して走ると悪化しやすいですが、
運動量を調整しながら改善できるケースもあります。
どれくらいで治りますか?
→ 軽症なら数週間で改善することもあります。
ただし、慢性化している場合は数ヶ月かかることもあります。
ストレッチだけで治りますか?
→ ストレッチは重要ですが、それだけでは再発する事も多いため、
筋力、バランス、フォーム、負荷調整まで含めた治療が必要です。
アキレス腱炎でお困りの方へ
アキレス腱炎は、
「そのうち治るだろう」と我慢してしまいがちな疾患です。
しかし実際には、放置すると
- 慢性化
- 再発の繰り返し
- 部分断裂リスク
- スポーツの長期離脱
につながることがあります。
特に、
- 朝の一歩目が毎回痛い
- 走ると痛みが再発する
- 1ヶ月以上続いている
- 押すと強く痛い
このような場合は、なるべく早めに整形外科で評価することをおすすめします。
埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・エコー評価・リハビリテーションを組み合わせ、
それぞれの状態に合わせた治療方針をご提案しております。
「この痛み、いつ治るんだろう?」
そう思った時点が、受診のタイミングです。
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