股関節の前側が痛い…「大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)」かもしれません
「足の付け根がズキッと痛い」
「股関節を曲げると詰まる感じがする」
「長く座ったあとに立ち上がると痛い」
「しゃがむ動作がつらい」
「スポーツでダッシュや方向転換が痛む」
このような症状がある場合、
『大腿骨寛骨臼インピンジメント(Femoroacetabular Impingement:FAI)』
が関係している可能性があります。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、股関節の骨の形が原因で、
股関節を動かした時に骨同士がぶつかりやすくなる状態です。
その結果、股関節の中の組織(関節唇や軟骨)が傷つき、
痛みや詰まり感が起こります。
「股関節が硬いだけ」「筋肉痛だと思っていた」という方でも、
実は大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)が背景にあるケースは少なくありません。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)とは?
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)とは、股関節を構成する
- 大腿骨頭(太ももの骨の先端)
- 寛骨臼(股関節の受け皿)
の形態異常により、股関節を曲げたりひねったりした時に
骨が衝突(インピンジメント)してしまう状態です。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は大きく分けて、以下のタイプがあります。
● CAM型
→ 大腿骨頭(股関節の下側)の形が丸くなく、出っ張りがあるタイプ
● Pincer型
→ 受け皿(股関節の上側)のかぶりが強いタイプ
● 混合型
→ CAM型とPincer型の両方があるタイプ
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は若い世代やスポーツをする方にも多く、
股関節の痛みが長引く原因として重要な疾患です。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の症状
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)では、次のような症状がみられます。
- 足の付け根(鼠径部)の痛み
- 股関節を曲げると詰まる感じがする
- しゃがむ動作がつらい
- 長時間座ったあとに立ち上がると痛い
- 歩くと股関節が痛い
- スポーツで痛みが出る(方向転換、ダッシュなど)
- 股関節をひねるとズキッとする
- 股関節の可動域が狭くなってきた
- 痛みが続くと運動ができなくなる
FAIは、「動かした時に痛い」「特定の角度で詰まる」
という訴えが多いのが特徴です。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の原因
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の原因は、
股関節の骨の形態(骨格)が背景にあることが多いです。
つまり、
- 生まれつき
- 成長期の骨形成の影響
- スポーツ歴
などによって、股関節の形が作られ、
結果としてインピンジメントが起こりやすくなります。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)があると、
股関節を曲げたりひねったりした時に骨同士がぶつかる摩擦で
- 関節唇損傷
- 軟骨損傷
- 変形性股関節症の進行
につながることがあります。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)と関連が深い疾患
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、以下の疾患と関連が深いです。
- 股関節唇損傷
- 変形性股関節症(初期〜中期)
- 腸腰筋腱炎
- 大転子部痛症候群
- 鼠径部痛症候群(グロインペイン)
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は「骨の形」が原因になるため、
筋肉だけの問題として扱ってしまうと、あまり改善しないケースがあります。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の診断方法
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の診断は、
症状と身体所見、画像検査を組み合わせて行います。
- 痛みの部位の確認(鼠径部中心)
- 股関節の可動域評価
- インピンジメントテスト
- 歩行やスポーツ動作の確認
- レントゲン検査(骨形態の検査に必須)
- 必要に応じてMRI検査(関節唇や軟骨の評価)
- 必要に応じてCT検査(骨形態の詳細評価)
- 必要に応じてエコー検査(周囲の炎症の評価)
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、
レントゲンで骨の形を検査することが非常に重要です。
また、FAIは関節唇損傷を併発していることも多いため、
必要に応じてMRIで追加評価を行います。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の治療方法
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の治療は、
痛みの程度、生活への影響、スポーツ復帰の希望などに応じて選択します。
● 保存療法(基本)
- 内服治療や外用薬(炎症や痛みを抑える)
- 物理療法(痛みを感じにくくする)
- 骨盤、股関節周囲筋のリハビリ(動かし方の練習)
- 姿勢や股関節の動かし方や修正(セルフケアの学習)
- スポーツ動作のフォーム調整(負担を減らす)
- 運動量の調整(負傷部位を安静にする)
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、
「股関節を無理に柔らかくする」よりも、
股関節に負担をかけない使い方を学ぶことが重要になります。
● 注射治療
痛みが強い場合には、
症状に応じて注射治療が検討されることがあります。
● 手術療法
保存療法でも痛みが改善しない場合や、
関節唇損傷・軟骨損傷が進んでいる場合には、
手術が選択肢になることがあります。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)のFAQ
症状を放っておくとどうなりますか?
→ 症状が続くと、関節唇損傷や軟骨損傷が進行し、
将来的に変形性股関節症につながる可能性があります。
ストレッチで治りますか?
→ ストレッチだけで改善するケースもありますが、
無理なストレッチで症状が悪化することもあるため注意が必要です。
スポーツは続けられますか?
→ 状態によります。フォームや負担を調整しながら続けられる場合もありますが、
痛みが続く場合は診察や処置が必要です。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)でお困りの方へ
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、
「股関節が硬いだけ」
「筋肉が張っているだけ」
と思われやすい一方で、股関節の中の組織が傷ついていることもある疾患です。
特に、
- 足の付け根の痛みが続いている
- 股関節を曲げると詰まる感じがする
- しゃがむ動作がつらい
- 運動すると痛みが再発する
- 股関節唇損傷と言われたことがある
このような場合は、
なるべく早めに医療機関(整形外科)で股関節の状態を確認することを強くおすすめします。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、
早期に評価して治療を開始できれば、
将来的な股関節や骨の進行変形を抑えられる可能性があります。
埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・画像評価・リハビリテーションを組み合わせ、
あなたの股関節の状態に合わせた治療方針をご提案します。
「股関節の痛みが続いている」
その悩みを解決の第一歩として受診をオススメします。
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