大転子部痛症候群

股関節の外側が痛い…「大転子部痛症候群」かもしれません

「歩くと股関節の外側がズキッと痛い」
「階段の上り下りで外側が痛む」
「横向きで寝ると痛くて眠れない」
「片脚立ちで痛みが出る」
「運動すると股関節の外側が痛い」

このような症状がある場合、
大転子部痛症候群(GTPS:Greater Trochanteric Pain Syndrome)
が関係している可能性があります。

大転子部痛症候群は、股関節の外側(大転子周囲)に痛みが出る状態の総称で、
腱(スジ)や滑液包(クッション)などの炎症・変性が関与していることが多いです。

「股関節が悪い=変形性股関節症」と思われがちですが、
実際には大転子部痛症候群が原因になっているケースも少なくありません。

大転子部痛症候群とは?

大転子部痛症候群とは、
股関節の外側にある『大転子(だいてんし)』
という骨の出っ張り周囲で起こる痛みのことです。

この部分には、

  • 中殿筋腱(お尻の真ん中の筋肉)
  • 小殿筋腱(お尻の上側の筋肉)
  • 腸脛靭帯(骨盤から膝まで繋がる靱帯)
  • 滑液包(クッションの様な衝撃吸収)

などが集まっており、
繰り返しの負担や筋力低下などで炎症や変性が起こると痛みが出ます。

以前は「大転子滑液包炎」と言われることも多かったですが、
実際には滑液包だけの問題ではなく、
腱(スジ)の障害(中殿筋腱障害)がある事も多いため、
現在はまとめて大転子部痛症候群と呼ばれることが増えています。

大転子部痛症候群の症状

大転子部痛症候群では、次のような症状がみられます。

  • 股関節の外側(骨の出っ張り)が痛い
  • 歩くと外側がズキッとする
  • 階段の上り下りで痛む
  • 走ると痛む
  • 横向きで寝ると痛い(寝返りがつらい)
  • 片脚立ちで痛みが出る
  • 長く立っていると痛い
  • 痛い側を下にして座ると痛む
  • お尻の外側まで痛みが広がることがある

特に「横向きで寝られない」は非常に多い症状です。

※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。

大転子部痛症候群の原因

大転子部痛症候群の原因は、
股関節外側にかかる繰り返しの負担が中心です。

  • 股関節周囲筋(中殿筋など)の筋力低下
  • 姿勢・骨盤の傾き・歩き方のクセ
  • ランニングや登山などの運動負荷
  • 体重増加・加齢による腱の変性(老化)

股関節を支える筋肉が弱くなると、
歩行や片脚支持のたびに外側にストレスが集中します。

また反り腰、骨盤が左右に揺れる歩き方、
片脚重心となる機会が多い等があると、更に負担が増えます。

運動量が増えた時期に発症することも多く、
腱(スジ)は年齢とともに柔軟性が低下するので、
炎症や痛みが発生しやすくなります。

大転子部痛症候群と関連が深い疾患

大転子部痛症候群は、以下の疾患と関連していることがあります。

  • 中殿筋腱障害(腱炎・腱変性)
  • 小殿筋腱障害
  • 腸脛靭帯炎
  • 変形性股関節症(併発することもあります)
  • 腰椎疾患(坐骨神経痛など)
  • 仙腸関節障害

「股関節の外側が痛い」といっても、
腰や骨盤由来の痛みが混ざっているケースもあるため、
丁寧な診察と評価がとても重要です。

大転子部痛症候群の診断方法

大転子部痛症候群は、症状と診察所見をもとに総合的に評価します。

  • 痛みの部位の確認(大転子の圧痛)
  • 股関節の可動域評価、筋力評価
  • 歩行や片脚立ちテスト
  • 必要に応じてレントゲン検査(股関節の変形評価)
  • エコー検査(腱・滑液包の評価)
  • 必要に応じてMRI検査(腱損傷や炎症の評価)

大転子部痛症候群は、
レントゲンだけでは分からないことも多いため、
必要に応じてエコーやMRIを組み合わせて診察します。

大転子部痛症候群の治療方法

大転子部痛症候群の治療は、保存療法が中心です。

● 保存療法(基本)

  • 内服治療や外用薬(炎症や痛みを抑える)
  • 物理療法(痛みを感じにくくする)
  • 股関節周囲筋のリハビリ(筋の機能改善)
  • 姿勢、歩き方、体の使い方の修正
  • 運動量の調整(走る・登山など)
  • 横向きで寝る時の工夫(クッション使用など)

大転子部痛症候群は、「ほぐす」よりも
股関節を支える力を取り戻すことが改善の鍵になります。

● 注射治療

痛みが強い場合には、
症状に応じて注射治療が検討されることがあります。

大転子部痛症候群のFAQ

Ÿ™‹ 変形性股関節症ですか?

→ 外側の痛みだけの場合、変形性股関節症ではなく大転子部痛症候群のことも多いです
画像評価で確認が必要です。

Ÿ™‹ どれくらいで治りますか?

→ 個人差がありますが、リハビリと負担調整を行うことで改善が期待できます。
長引く場合は治療方針の見直しが必要です。

Ÿ™‹ 走っても大丈夫ですか?

→ 痛みが強い時期のランニングは悪化することがあります。
状態に応じて運動量の調整が重要です。

大転子部痛症候群でお困りの方へ

大転子部痛症候群は、
「股関節の外側が痛いだけ」
と軽く見られやすい一方で、
放置すると痛みが慢性化し、歩くこと自体がつらくなることもあります。

特に、

  • 歩くたびに股関節外側が痛む
  • 横向きで寝られない
  • 階段や片脚立ちがつらい
  • 運動すると再発する
  • 痛みが何週間も続いている

このような場合は、
なるべく早めに医療機関(整形外科)で診察を受け、
原因を確認することをおすすめします。

埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・画像評価・リハビリテーションを組み合わせ、
あなたの股関節の状態に合わせた治療方針をご提案します。

「股関節の外側の痛みが続いている」
その時点が、受診のタイミングです。

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