足の付け根が痛い…「グロインペイン症候群」かもしれません
「走ると足の付け根が痛い」
「キック動作で鼠径部がズキッとする」
「方向転換やダッシュで痛む」
「股関節を動かすと詰まる感じがする」
「休むと少し良いが、再開するとまた痛い」
このような症状がある場合、
グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
が関係している可能性があります。
グロインペイン症候群は、特にサッカーなどのスポーツで多く、
鼠径部(足の付け根)に慢性的な痛みが出る状態の総称です。
「股関節の痛みだと思っていた」
「筋肉痛が長引いているだけだと思っていた」
という方でも、実は、グロインペイン症候群が背景にあるケースは少なくありません。
グロインペイン症候群とは?
グロインペイン症候群とは、
鼠径部(足の付け根)周囲に起こる痛みをまとめた呼び方です。
実際には、ひとつの組織だけが悪いのではなく、
- 股関節
- 腹筋
- 内転筋
- 腸腰筋
- 恥骨周囲
- 骨盤帯
など、複数の部位が関係していることが多いのが特徴です。
そのため、
「ここが原因です」と一発で言い切りにくい一方で、
継続的かつ症状と検査の再現性が得られれば、
改善の方向性が見えてくる疾患でもあります。
グロインペイン症候群の症状
グロインペイン症候群では、次のような症状がみられます。
- 鼠径部(足の付け根)が痛い
- ダッシュや方向転換で痛む
- キック動作で痛みが出る
- 股関節を曲げると痛む
- 内ももを使うと痛い(内転筋の痛み)
- 立ち上がりや踏み込みで痛む
- 運動後に痛みが強くなる
- 休むと軽くなるが再開すると再発する
- 長引くと慢性化して、常に違和感が続く
グロインペイン症候群は、
「スポーツはできるけど痛い」
「完全に治らないまま繰り返す」
という状態になりやすいのが特徴です。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
グロインペイン症候群の原因
グロインペイン症候群の原因は、
ひとつではなく複数の要素が絡むことが多いです。
● 繰り返しの負担(オーバーユース)
- サッカー
- フットサル
- 陸上
- ラグビー
など、股関節や骨盤を強く使う競技で起こりやすいです。
● 股関節の硬さ・可動域制限
股関節が硬いと、
盤や内転筋に負担が集中しやすくなります。
● 体幹・骨盤の安定性低下
体幹が不安定になると、
キックやダッシュのたびに鼠径部が引っ張られます。
● 股関節の骨形態(FAIなど)
股関節の形が原因で
インピンジメント(骨の衝突)が起こっていると、
鼠径部痛が長引く原因になります。
グロインペイン症候群と間違えやすい疾患
鼠径部(足の付け根)の痛みは、
以下の疾患でも起こることがあります。
- 腸腰筋腱炎
- 股関節唇損傷
- 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)
- 大腿骨疲労骨折
- 変形性股関節症(初期)
- 仙腸関節障害
- 腰椎疾患(坐骨神経痛など)
- 鼠径ヘルニア(脱腸)
特にスポーツ選手の場合、
「筋肉の痛みだと思っていたら疲労骨折だった」
というケースもあり、早期の診察が重要です。
グロインペイン症候群の診断方法
グロインペイン症候群の診断は、
症状・身体所見・画像検査を組み合わせて総合的に評価します。
- 痛みの部位の確認(鼠径部、恥骨、内転筋など)
- 股関節の可動域評価、筋力テスト
- 腹筋や体幹や股関節のテスト
- 歩行、走行、キック動作の確認
- レントゲン検査(骨の形の検査)
- 必要に応じてMRI検査(関節唇、疲労骨折、炎症評価)
- 必要に応じてエコー検査(腱や筋の評価)
グロインペイン症候群は、
「どこが主原因なのか」を見極めることが最重要ポイントです。
グロインペイン症候群の治療方法
治療は、基本的に保存療法が中心です。
● 保存療法(基本)
- 運動量の調整(痛みの出る動作を整理)
- 内服治療や外用薬(炎症や痛みを抑える)
- 物理療法(痛みを感じにくくする)
- 股関節の可動域改善(ただし無理なストレッチは避ける)
- 内転筋、腸腰筋、腹筋のリハビリ
- 体幹・骨盤の安定性トレーニング
- スポーツ動作の修正(フォーム調整)
グロインペイン症候群は、
「休めば治る」よりも
評価して、負担の原因を修正することが改善の近道になります。
● 注射治療
痛みが強い場合には、
状態に応じて注射治療が検討されることがあります。
グロインペイン症候群のFAQ
どれくらいで治りますか?
→ 症状の期間や原因によって大きく異なります。
慢性化している場合は、評価とリハビリが重要になります。
スポーツを続けても大丈夫ですか?
→ 状態によります。痛みを我慢して続けると長引くことがあるため、
競技を続けながら治す場合も医師の評価が必要です。
ストレッチで治りますか?
→ ストレッチが有効なケースもありますが、
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)などがある場合は
悪化することもあるため注意が必要です。
グロインペイン症候群でお困りの方へ
グロインペイン症候群は、
「筋肉痛だと思っていた」
「そのうち治ると思っていた」
と放置されやすい一方で、
慢性化すると長期間スポーツ復帰が難しくなることもある疾患です。
特に、
- 足の付け根の痛みが数週間以上続いている
- 走る、蹴る、方向転換で痛みが出る
- 休むと軽くなるが、再開すると再発する
- 痛みをかばってフォームが崩れてきた
- 大会が近いのに痛みが改善しない
このような場合は、
なるべく早めに整形外科で原因を確認することを強くおすすめします。
埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・画像評価・リハビリテーションを組み合わせ、
競技特性に合わせた治療方針をご提案します。
「この痛み、どこが原因なんだろう?」
その悩み、ぜひ一緒に解決していきましょう。
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