膝の内側が痛い…「内側側副靱帯(MCL)損傷」かもしれません
「膝の内側がズキッと痛む」
「スポーツ中に膝をひねった」
「接触プレーで膝の内側を痛めた」
「歩くと膝がグラつく感じがする」
「曲げ伸ばしすると膝の内側が痛い」
このような症状がある場合、
『内側側副靱帯(MCL)損傷』が関係している可能性があります。
MCL損傷は、膝の靱帯損傷の中でも比較的多く、
サッカー・バスケ・ラグビー・スキーなど、
「接触」や「ひねり」が起きやすいスポーツで発生しやすいケガです。
軽い捻挫程度で済むこともありますが、
損傷の程度によっては、膝の不安定感が長引いたり、
半月板や前十字靱帯(ACL)など他の損傷が合併していることもあります。
「ただの捻挫」と自己判断せず、 早めに状態を確認することが大切です。
内側側副靱帯(MCL)損傷とは?
内側側副靱帯(MCL)損傷とは、
膝の内側にある靱帯(MCL)が伸びたり、
部分的に切れたり、完全に断裂するケガです。
内側側副靱帯(MCL)は、膝が外側に開く(外反)方向の力に対して、
膝関節を安定させる重要な靱帯です。
この靱帯が傷つくと、
- 膝の内側の痛み
- 腫れ
- 不安定感(グラつき)
- スポーツ動作の恐怖感
などが出やすくなります。
内側側副靱帯(MCL)損傷の症状
内側側副靱帯(MCL)損傷では、次のような症状がみられます。
- 膝の内側が痛い
- 押すと膝の内側が強く痛む(圧痛)
- 膝をひねった後から痛みが続く
- 歩くと痛い、走ると悪化する
- 膝が外側に開く感じがして不安
- 曲げ伸ばしで痛みが出る
- 膝の内側が腫れる、熱っぽい
- スポーツ復帰すると痛みがぶり返す
オスグッド病のような「一点が骨で痛い」タイプとは異なり、
内側側副靱帯(MCL)損傷は
「膝の内側が線状に痛い」「不安定感がある」ことが特徴です。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
内側側副靱帯(MCL)損傷の原因
内側側副靱帯(MCL)損傷の原因は、膝に外反ストレスが加わることです。
代表的な受傷機転は以下の通りです。
● 接触プレー(外側から膝をぶつけられる)
サッカーやラグビー、バスケなどで多く、
膝の外側から力が加わることで膝が内側に潰され、MCLが損傷します。
● ひねり動作(切り返し・着地)
ジャンプの着地や急な方向転換で、
膝が内側に入るような形でひねられた時に起こることがあります。
● スキーなどでの転倒
スキーでは、板が固定されているため膝に強い外反力が加わりやすく、
MCL損傷が起こりやすい典型的なシーンです。
内側側副靱帯(MCL)損傷と間違えやすい疾患
膝の内側の痛みは、
内側側副靱帯(MCL)損傷以外でも起こることがあります。
- 内側半月板損傷
- 鵞足炎(がそくえん)
- 内側滑膜ヒダ障害
- 変形性膝関節症(初期)
- 前十字靱帯(ACL)損傷の合併
- 骨挫傷(骨の打撲)
- 脛骨近位部の骨折(疲労骨折を含む)
特に、内側側副靱帯(MCL)損傷は
「半月板損傷」や「ACL損傷」と合併することがあるため、
痛みが強い場合や不安定感がある場合は注意が必要です。
内側側副靱帯(MCL)損傷の診断方法
内側側副靱帯(MCL)損傷は、問診・診察・画像検査を組み合わせて評価します。
● 問診・診察
- 痛めた状況(接触/ひねり/転倒など)
- 膝の内側の圧痛
- 腫れの有無
- 膝の不安定感の評価
- 外反ストレステスト(MCLの緩みの確認)
- 半月板やACL損傷がないかのチェック
● レントゲン検査
靱帯自体は写りませんが、
- 骨折がないか
- 他の剥離骨折がないか
- 成長期の場合は、骨の成長に必要不可欠である骨端線の損傷がないか
を確認するために重要です。
● MRI検査
内側側副靱帯(MCL損傷の重症度(部分断裂か、完全断裂か)を評価するために重要です。
また、半月板や前十字靱帯(ACL)などの合併損傷を確認できます。
当院では必要に応じて提携医療機関で撮影を行います。
● エコー検査
内側側副靱帯(MCLは比較的体表に近い靱帯のため、
エコーでも損傷部の腫れや出血、靱帯の連続性を評価できることがあります。
当院では、状態に応じてエコーを活用し、その場で評価することも可能です。
内側側副靱帯(MCL)損傷の治療方法
内側側副靱帯(MCL)損傷の治療は、損傷の程度(グレード)と、
膝の不安定性、合併損傷の有無によって決まります。
● 保存療法(基本)
内側側副靱帯(MCL)損傷は、
靱帯損傷の中でも比較的「保存療法で治りやすい」ことが多いです。
- 安静(無理な運動を控える)
- アイシング
- 消炎鎮痛薬(必要に応じて)
- サポーターや装具(膝の外反を防ぐ)
- 物理療法
- リハビリテーション(可動域・筋力・動作改善)
● リハビリ(当院が特に重視)
内側側副靱帯(MCL)損傷は、痛みが引いたあとに
「なんとなく不安」
「切り返しが怖い」
「復帰したらまた痛い」
という状態が残ることが少なくありません。
当院では、以下を重視して治療の提案を行っています。
- 膝の安定性を作る筋力(大腿四頭筋やハムストリング等)
- 股関節、体幹の安定性(膝が内側に入らない動作づくり)
- ジャンプ、着地、切り返し等、一連動作の再教育
- 競技特性に合わせた復帰プログラム
「痛みがなくなった=治った」ではなく、
再発しにくい身体の使い方まで整えることが重要です。
● 注射治療について
内側側副靱帯(MCL)損傷は、注射が第一選択になることは多くありません。
ただし、炎症が強く痛みが強い場合など、
状態によっては痛みを抑える治療を検討することがあります。
● 手術療法について
内側側副靱帯(MCL)単独損傷は、保存療法で改善することが多いです。
しかし、
- 膝の不安定感が強い
- 完全断裂で著しいゆるみがある
- 前十字靱帯(ACL)等の他の靱帯損傷を合併している
- スポーツ復帰に支障が大きい
といった場合には、手術が検討されることもあります。
内側側副靱帯(MCL)損傷のよくある質問(FAQ)
内側側副靱帯(MCL)損傷は自然に治りますか?
→ 損傷の程度によりますが、軽度〜中等度であれば保存療法で改善することが多いです。
ただし、放置して早期復帰すると、痛みが長引いたり再受傷することがあります。
歩けるなら軽症ですか?
→ 歩けても靱帯損傷が起きていることはあります。
特にスポーツ中の受傷で膝の内側が痛い場合は、一度受診する事が大切です。
どれくらいでスポーツ復帰できますか?
→ 軽度なら数週間で復帰できることもありますが、
中等度以上では1〜2ヶ月以上かかることもあります。
復帰時期は「痛み」だけでなく、
「検査結果」と「不安定性」と「動作の質」、様々な判断軸で理解することが重要です。
内側側副靱帯(MCL)損傷でお困りの方へ
内側側副靱帯(MCL)損傷は、
「歩けるから大丈夫」
「捻っただけだからそのうち治る」
と我慢されやすいケガです。
しかし実際には、
損傷の程度や合併損傷の有無によって、治療方針が大きく変わります。
特に
- 膝の内側の痛みが1週間以上続く
- 腫れが引かない
- 膝がグラつく感じがある
- スポーツ復帰すると痛みがぶり返す
- 接触プレーで強く痛めた
このような場合は、なるべく早めに
医療機関(整形外科)で診察を受けることをおすすめします。
埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・画像評価・リハビリを組み合わせ、
スポーツ復帰まで見据えた治療方針をご提案します。
「このまま様子見でいいのかな?」
そう感じた時点が、受診のタイミングです。
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