膝のお皿が外れる…「膝蓋骨脱臼(亜脱臼)」かもしれません
「膝のお皿がズレた感じがした」
「方向転換で膝がガクッとなった」
「膝が外れそうで怖い」
「スポーツ中に膝が抜ける感じがする」
「一度外れてから、何度も繰り返している」
このような症状がある場合、
『膝蓋骨脱臼(亜脱臼)』が関係している可能性があります。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)は、膝のお皿(膝蓋骨)が外側にズレることで起こります。
特にスポーツをしている方や成長期の方、女性に多く、再発しやすいことが特徴です。
「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、
膝が不安定になり、スポーツ復帰が遅れたり、再発を繰り返したりすることがあります。
早めに状態を確認し、適切な治療を開始する事が大切です。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)とは?
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)とは、
膝のお皿(膝蓋骨)が本来の位置から外側へズレてしまう状態です。
● 脱臼
→ 完全に外れて戻らない状態
● 亜脱臼
→ 一瞬ズレるが自然に戻る状態
亜脱臼の場合は、
「外れた気がする」「ガクッとした」程度で終わることもありますが、
膝の中では様々な靱帯や軟骨が傷ついている事もあるため注意が必要です。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)の症状
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)では、次のような症状がみられます。
- 膝のお皿が外れた(外れそうになった)
- 膝がガクッと崩れる
- 膝が抜ける感じがする
- 膝の前側が強く痛む
- 膝が腫れる、水が溜まる
- 階段やしゃがみ込みが怖い
- スポーツの方向転換が不安
- 再発を繰り返している
特に、初回脱臼後に
「膝が怖くて思い切り動けない」
という不安が強く残る方も少なくありません。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)の原因
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)は、
単に「ぶつけたから外れた」というよりも、
膝蓋骨がズレやすい構造(素因)が背景にあることが多いです。
● 外傷(スポーツ動作)
- ジャンプの着地
- 急な方向転換
- 切り返し
- ストップ動作
このような場面で、
膝が内側に入ると(ニーイン)膝蓋骨が外側に引っ張られて脱臼しやすくなります。
● 骨格の特徴(脱臼しやすい形)
- 膝蓋骨が通る溝が浅い
- 膝蓋骨が外側へ引っ張られやすい
- 日本人はそもそもX脚傾向
- 成長期の骨格要因
等々の元々の特徴があり、再発リスクが高くなります。
● 筋力、動作の問題
- 太ももの内側の筋力低下
- 股関節の筋力低下
- 体幹の不安定さ
- 着地や切り返しのクセ
これらがあると、膝にズレる力がかかりやすくなるので、
ストレスを受けやすくなります。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)と関連が深い疾患・損傷
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)は、以下の損傷を伴うことがあります。
- 内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)損傷
- 膝蓋骨軟骨損傷
- 大腿骨外側顆の骨軟骨損傷
- 膝関節内血腫(膝に血が溜まる)
- 反復性膝蓋骨脱臼
「外れただけ」と思っていても、
膝の中の軟骨が傷ついているケースもあるため、初回でも評価が重要です。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)の診断方法
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)の診断は、
症状・診察所見・画像検査を組み合わせて総合的に行います。
● 問診・診察
- 受傷状況(切り返し、着地、接触など)
- 膝のお皿の不安定感
- 腫れ(水が溜まっていないか)
- 膝蓋骨の動きの評価
- 膝のアライメント(X脚傾向など)
- 股関節、足関節の動きの評価
● レントゲン検査
- 骨折の有無
- 膝蓋骨の位置
- 骨形態(脱臼しやすさ)
などを確認します。
● MRI検査(必要に応じて)
- 内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)損傷の評価
- 軟骨損傷
- 骨軟骨損傷
などを確認するために重要です。
● エコー検査(必要に応じて)
膝周囲の腫れや炎症の評価に役立つことがあります。
当院でも積極的に活用しております。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)の治療方法
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)の治療は、
脱臼の回数、軟骨損傷の有無、スポーツ復帰希望などにより選択します。
● 保存療法(基本)
- 安静、固定(必要に応じて)
- 消炎鎮痛薬(必要に応じて)
- 物理療法
- サポーター、装具
- リハビリテーション(最重要)
● リハビリ(当院が特に重視)
膝蓋骨脱臼は、
「膝だけ鍛える」では再発予防が不十分なことが多いです。
当院では、以下を重視しています。
- 太ももの筋力(特に内側)
- 股関節の筋力(お尻の筋肉)
- 体幹の安定性
- 着地、切り返しの動作改善
- ニーインを減らすフォーム指導
- スポーツ復帰までの段階的プログラム
「また外れるかもしれない」という不安を減らし、
安全に競技復帰することを目標にします。
● 手術療法について
以下の場合には、手術が検討されることがあります。
- 脱臼を繰り返している(反復性)
- MPFL損傷が強く不安定性が残る
- 軟骨損傷や骨軟骨損傷がある
- スポーツ復帰に強い不安がある
等々がある場合、代表的には
内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術などが選択されることがあります。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)のよくある質問(FAQ)
一度外れたら癖になりますか?
→ 癖になる方もいます。特に骨格要因がある場合や、成長期は再発しやすいです。
初回から診察とリハビリをしっかり行うことが重要です。
どれくらいでスポーツ復帰できますか?
→ 状態によります。軽症なら数週間〜、
再発例や損傷が強い場合は数ヶ月かかることもあります。
復帰を急ぐほど再発リスクが上がるため、段階的な復帰が大切です。
サポーターだけで治りますか?
→ サポーターは補助として有効ですが、
根本的には筋力や動作そのものの改善が重要です。
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)でお困りの方へ
膝蓋骨脱臼(亜脱臼)は、
「一度外れただけ」「戻ったから大丈夫」と思われやすい一方で、
膝の中の靱帯や軟骨が傷ついている事がある疾患です。
特に、
- 膝が腫れている
- 歩くと痛い
- 膝がガクッとする
- スポーツで方向転換が怖い
- 脱臼を繰り返している
このような場合は、なるべく早めに整形外科で評価を受けることを強くおすすめします。
早期に原因を把握し、
適切なリハビリや再発予防を開始できれば、
日常生活への満足感や、競技復帰の期間を短くできる可能性があります。
埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察・画像評価・リハビリテーションを組み合わせ、
あなたの膝の状態に合わせた治療方針をご提案します。
このような症状がある場合は、
できるだけ早い段階で医療機関を受診し、原因を確認することが重要です。
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