子どもが突然「足が痛い」と言ったら|単純性股関節炎の可能性
「急に足を引きずるようになった」
「股関節が痛いと言って歩きたがらない」
「熱はない(または微熱)」
「風邪のあとから足が痛いと言い始めた」
このような症状がある場合、
『単純性股関節炎(たんじゅんせいこかんせつえん)』の可能性があります。
単純性股関節炎は、主に小児にみられる疾患で、
股関節に一時的な炎症が起こる事で痛みが出ます。
多くの場合は自然に改善しますが、
似た症状を起こす病気の中には緊急性の高いものもあるため、
医療機関(整形外科)による「様子見でいいのか」の判断が非常に重要です。
単純性股関節炎とは?
単純性股関節炎は、
小児の股関節に一時的な炎症が起こる病気です。
特徴として、
- 突然の股関節痛
- 歩行時の痛み
- 足を引きずる(跛行)
- 動かすと痛がる
といった症状が出ます。
特に、3〜10歳くらいのお子さんに多いとされています。
単純性股関節炎の症状
単純性股関節炎では、次のような症状がみられます。
- 片側の股関節の痛み(片側が多い)
- 足を引きずる
- 歩くのを嫌がる
- 走らなくなる
- 股関節を動かすと痛がる
- 膝が痛いと言うこともある(股関節の痛みが膝に出る)
- 発熱はないか、あっても微熱程度
痛みが強いと、抱っこを求めたり、立ち上がらなくなることもあるので、
日頃の様子と違う、もしくは違和感を感じて受診される方も多いです。
※これらは一般的にみられる症状であり、診断を目的としたものではありません。
単純性股関節炎の原因
単純性股関節炎は、はっきりした原因が特定できないことも多いですが、
以下のような背景がよくあります。
● 風邪のあとに起こる
単純性股関節炎は、
上気道感染(風邪)後に発症することが多いとされています。
ウイルス感染などをきっかけに、股関節内に一時的な炎症が起こると考えられています。
● 軽い外傷(転倒など)
転んだ後に痛みが出た場合でも、骨折ではなく単純性股関節炎が原因のこともあります。
単純性股関節炎と間違えやすい疾患(重要)
単純性股関節炎は比較的良性の疾患ですが、
症状が似ていて見逃してはいけない疾患があります。
特に注意が必要なのは以下の通りです。
● 化膿性股関節炎(緊急)
股関節に細菌感染が起こる病気で、
放置すると関節が破壊される危険があります。
- 高熱
- 強い痛み
- まったく歩けない
- 触るだけでも痛がる
などがあれば要注意です。
● 大腿骨頭すべり症
思春期前後に起こることがあります。
● ペルテス病
小児の股関節疾患で、初期は跛行(歩き方がおかしい事)のみ出現する事もあります。
● 骨折・骨端線損傷
転倒後の痛みの場合は、骨折の除外が必要です。
単純性股関節炎の診断方法
単純性股関節炎は、
問診・診察・画像検査を組み合わせて診断します。
● 問診・診察
- 痛みの場所
- 発熱の有無
- 歩行状態(跛行の程度)
- 股関節の可動域
- 痛みが出る動き
- 風邪症状の有無
- 転倒などの外傷歴
● レントゲン検査
骨折やペルテス病などを除外するために行います。
● エコー検査
股関節に関節液がたまっているかを確認でき、
単純性股関節炎の評価に役立ちます。
● 血液検査(必要に応じて)
炎症の程度を確認し、
化膿性股関節炎など重症疾患の除外に役立ちます。
単純性股関節炎の治療方法
単純性股関節炎の治療は、基本的に保存療法です。
● 安静(最重要)
無理に歩かせず、痛みが落ち着くまで安静が基本です。
● 痛み止め
痛みが強い場合は、状態に応じて内服薬を使用します。
● 経過観察
多くは数日〜1〜2週間程度で改善します。
ただし、改善が乏しい場合や症状が悪化する場合は、
別の疾患が隠れている可能性もあるため再診察と処置が必要です。
単純性股関節炎の経過と注意点
単純性股関節炎は、
比較的予後が良いことが多い一方で、
- 痛みが強い
- 熱がある
- 日に日に悪化する
- まったく歩けない
- 数日経っても改善しない
このような場合は、単純性股関節炎ではない可能性があります。
「様子見でいい病気」と自己判断するのではなく、
最初に整形外科で確認することが安心です。
単純性股関節炎のFAQ
何日くらいで治りますか?
→ 多くは数日〜1週間程度で改善します。長引く場合は再受診が必要です。
周囲の人へ感染しますか?
→ 単純性股関節炎自体は感染症ではなく、感染する病気ではありません。
もう一度なりますか?
→ まれに再発することがあります。再発時も同様に受診が必要です。
単純性股関節炎でお困りの方へ
お子さんの「急な足の痛み」や「足を引きずる症状」は、
単純性股関節炎のような一時的な炎症であることもあります。
しかし一方で、
化膿性股関節炎など緊急性の高い病気が隠れていることもあります。
特に、
- 歩けない
- 痛みが強い
- 発熱がある
- 日に日に悪化している
- 夜も痛がって眠れない
このような場合は、早めの受診が強く推奨されます。
埼玉整形外科スポーツクリニックでは、
診察と必要な検査を組み合わせ、
お子さんの股関節痛の原因を丁寧に診察します。
「成長痛かな?」で終わらせず、
不安がある時点で、一度ご相談ください。
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